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北海道バイクツーリング記

北海道バイクツーリング記

 停年から12年。私は毎年北海道にバイクツーリングに行っています。これはキャンプ場やライダーハウス(ライダーを低価格で泊めてくれる宿)を使って北海道をツーリングした今年の夏の記録です。
2012.09.12 暁R会員 松井貞夫

7月15日(月) 第1日目 
 敦賀深夜1時発のフェリーに乗るべく国道161号線をひた走る。夜の10時台とは言え最近の不景気からか街の明かりが暗すぎるような気がする。敦賀に無事到着、まずは生ビールを一杯。
 今日は月曜日の為バイクの乗客はやや少なめで20台とか。一昨日の土曜日は90台もいたらしい。今夜のバイクはアメリカンが多い。何といっても多いのはハーレーダビッドソン。20台のうち8台もある。
フェリーに乗り込んですぐステートルームに行くと、隣のベッドの乗客は名古屋のライダーだった。白髪で60歳。やはり毎年夏は北海道にツーリングに行くとのこと。北海道に思いをはせてすぐに寝る。 

7月16日(火) 第2日目
 今日は終日フェリーの中で過ごす。ライダーらしき人は雰囲気や装備で分かるので話しかけたりしていろいろな情報を得る。ライダーの一番気になる情報と言えばやはり天気である。今年の北海道の天気は上々とのこと。嬉しいニュースである。北海道バイクツーリング記_e0167810_0465359.jpg
 夜8時30分。いよいよ北海道の苫小牧についた。上陸である。この瞬間は何回経験しても身震いするくらい嬉しいものがある。真っ暗な苫小牧港を出て一路札幌方面を目指す。いつもの公園に野宿するのである。9時30分。千歳市のスポーツ公園に到着した。早速街灯の明かりを頼りにテントを張り、もぐりこんで寝る。
去年はこの公園でテントを張っているところを、若いお巡りさんに職質を受けた。横にバイクが置いてあるから不審者ではなく、ツーリング旅だと分かるだろうにしつこく受けた。まあお巡りさんも仕事だからとその時は納得したが・・。

7月17日(水) 第3日目
 テントの中で目を覚まし、コンロでお湯を沸かし熱いスープとパンの朝食を取る。今日は札幌に居る現役時代の同僚に会うことになっている。気のいい同僚であった。毎年ここに一番に訪問して、お昼を御馳走になって積もる話に花を咲かせる。奥様もいろいろお世話をしてくださってありがたい。北海道バイクツーリング記_e0167810_0523146.jpg
 午後からはいよいよ競馬の町浦河に向かって出発する。天気は予報通り晴れて気持ちがいい。バイクを思いっきり飛ばし、北海道らしさを味わう。浦河の町はさすが牧場が多い。町外れの無料のライダーハウスに泊まる。このハウスは町が管理していて旅人に提供してくれている。ありがたく使わせてもらう。夕食はコンビニでビールと弁当を買って済ます。この日の同宿者は、やはり停年になり、ツーリングを楽しむ65歳の関東の人であった。定年後の過ごし方などをいろいろ話し合ったが、やはり家にゴロゴロしていると邪魔にされるとか。どこも一緒の家庭事情。

7月18日(木) 第4日目
 今日は浦河から襟裳岬を経て屈斜路湖を目指す。襟裳岬に近づくと丘陵地帯になっていて荒涼とした景色である。秘境に来たという感じがする。森進一の歌に「襟裳は~何も~ない~」とあるが、その言葉そのままに。 
広尾から幕別、足寄、屈斜路湖畔で雨が降ってきた。雨の中テントを張る。こんな時は正直泣きたくなる。途中で買ったコンビニ弁当と缶ビールをテントの中で食べる。計画では湖畔で優雅に、携帯チェアに座って、ビールを飲んで焼肉でもと思っていたのに。

7月19日(金) 第5日目北海道バイクツーリング記_e0167810_0535694.jpg
 ライダーの聖地中標津の開陽台についた。ここは北海道を走るライダーなら誰もが目指すという名所である。広角300度の地平線が、見渡すことのできる高台にあって、緑が豊かな丘陵地帯である。この景色の中でテントを張りたいが今夜は天気がよくないらしいので諦める。
 鮭の町標津に着く。ここもライダーハウスはあって誰もいない家に入ってくつろぐ。昼間は留守にするので勝手にシャワーもしてもいいと張り紙があった。海のそばで風がきつく外も歩けない。スタンドしたバイクが倒れるくらい強い風が吹いている。今夜も味気ないコンビニ弁当で済ます。
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7月20日(土) 第6日目
朝起きると寒い。なんと母屋ではストーブを焚いている。朝食が出るという。トースト2枚と熱い牛乳をなみなみと注いで貰って感激。僅かな料金を払って厚くお礼を言って宿を出た。目指すは足寄だが途中別海町を通る。別海と言えば、今センセーショナルに騒がれている結婚詐欺殺人事件の犯人とされる女の出身地である。「別海から来た女」と云う本などが出て、町民の皆さんはさぞ迷惑しているだろう。この町は酪農の町でもあり、のどかな田園風景が続き、私はもっとも北海道らしい町と思っている。北海道バイクツーリング記_e0167810_0565443.jpg
 弟子屈(てしかが)町を過ぎてからイギリス人のチャリダー(自転車で旅をする人)に出会って少し話す。日本語が堪能で東日本地震災害地を励ますために周っているとか。お互い旅の無事を誓って別れた(因みに歩いて北海道を巡る人をトホダーといい、電車で周る人をジェイアーラーと云うそうである)。
 足寄では、街の食堂の2階で自前の寝袋で寝る。毎年ここで泊めてもらっているが、夕食を注文すれば泊めていただける。若いライダーや車で旅する夫婦者が泊まっていて、1週間も泊まっているツワモノもいた。足寄は鈴木宗雄元議員の出身地である。地元ではまだまだ人気があって再起を期待している人が多いとか。
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7月21日(日) 第7日目~10日目
 一路留萌を目指す。留萌には地元商工会が運営している無料のライダーハウスがある。留萌もご多分にもれず、毎年衰退の道をたどっているように見える。去年あった商店が今年は廃業していたり、駅の売店もなくなっていたりする。そう言う訳で、何とかこの町に人を呼び寄せようと、宿を提供していてくれるのかも知れない。これは札幌を除いて、北海道中が直面している問題ではないだろうか。
何はともあれ私はこの留萌市が好きである。理由はまず水が美味い。図書館が充実していて、なにより街に落ち着きがある。宿からの買い物も便利で銭湯も近い。だからこの町に毎年3~4日は滞在する。連日300キロ以上を走ってきたのでいい休養にもなる。ここで町をぶらぶらしながら図書館に行ったり、美味しいものを食べたりして至福の時を過ごす。そんなことをして何が楽しいのか、と問われても楽しいものは楽しいのだから仕方がない。この宿では長期滞在者が多い。1ヶ月も居るものもいる。アルバイトをして過ごしている者もいる。旅の途中で、ちょっと休むつもりが長期になったという者もいて、何かホームレスの始まりみたいでもある。
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7月26日(金) 第11日目
留萌から函館を目指すことにした。距離にして約500キロメートルあるが、北海道の道路事情なら簡単に着く。小樽を過ぎ余市で昼食を取る。この余市では安くて美味い食堂がありお客が群がっている。観光バスまで来る有名食堂である。この店では鮭イクラ丼が美味い。長万部(おしゃまんべ)に着いたころ激しく雨が降ってきた。函館まで100キロメートルもある。このまま走ってもいいが、急ぐ旅でもないのでここでテントを張り泊ることにする。
 地図を見るとこの近くにキャンプ場があって、設備も整いしかも無料とのこと。キャンプ場には誰もいないが、芝生のキャンプサイトが広がり解放感はある。ただし雨だけが残念なり。こんな時の為に何時も用意しているパスタを茹で上げ、ルウをぶっかけて食べた。午後8時、早々に寝る。 

7月27日(土) 第12日目
 朝から雨である。テントを畳んで出発する勇気もないのでこのまま連泊する。1日テントの中で本を読んで過ごす。
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7月28日(日) 第13日目
 朝起きると晴れ間が見えた。早速起き出しパンとスープの簡単な朝食の後、近くを散策する。見ると大きな公園キャンプ場で、家族連れできたら子供が喜びそうな遊具も並んでいる。利用者の居ない、もったいないくらいの設備のキャンプ場をあとに出発する。バイクは快調に走る。このBMW製のR1200GSはとても気に入っている。長距離を走っても疲れないし、とても扱いやすい。家内は危ないから北海道へは車で行ったら、と云うが「とんでもない」車みたいな退屈なもので2週間も一緒に旅することはできない、と云って断っている。
函館には正午に着く。早速いつもの1膳飯屋に行って「ホッケ定食」を頼む。本州のホッケと違い、大きく脂が乗っていて美味い。 

7月29日(月) 第14日目
昨夜から「自遊旅」を提唱し自ら自転車で全国を旅する「もーさん」こと毛利さんのお宅に泊めて頂いている。この毛利さんは、定年後北海道はおろか全国の旧道、廃道などを辿って歩くのが趣味で、これまでもあちこちの道を制覇されている猛者である。それも道が途絶えると自転車を担ぎ藪を漕ぎ、峠を越えるのだから徹底している。昨夜は久しぶりの再会を楽しんだ。今日は1日、港に係留されている大きな船を見たり、魚釣りを見たりして、ぶらぶらして過ごす。

7月30日(日) 第15日目
 毛利さん宅にもう1日泊めて頂く。一日市内の図書館で過ごす。
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7月31日(月) 第16日目以降
 函館港からフェリーで下北半島の大間港に渡り、青森、弘前、秋田、新潟、長野でキャンプ泊をしたり、知人宅で泊めていただいたりしましたが、8月5日、3週間の旅を終え、無事大津に帰ってきました。                
(完)

by akatsuki-fc | 2012-09-17 01:03 | R.V.A.B
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